2016年4月15日金曜日

歪む大地に怯まない、安心住まいの故郷を求めて

昨夜(414日に)起きた熊本大地震は、阪神・淡路大震災と同規模の震度7を記録した。今朝(4月16日)未明に本震に見舞われ、今も震度6前後の余震が相次いでおり、収束する気配は見られない。原因は、益城(ましき)町にある日奈久(ひなぐ)断層帯(全長約81キロ・メートル)が南北に大きく横ずれしたためだと説明されている。これに、もう一つの布田川断層帯がクロスし連動して、被害をいっそう大きくしている。震源地が10キロ前後と浅かったせいか、建物の被害は大きかった半面、犠牲者の数が41人で相対的に少なかったとしても、関係者にとって何の慰めにもならない。亡くなられた方々を偲び、ご遺族に哀悼の意を表したい。
最大加速度が阪神・淡路大震災の2倍に達し、余震は史上二番目に多かったという報告にも心底驚かされた。17日付のニュースでは、地震発生回数が2004年の新潟県中越地震を超え、最多のペースとなった。肥後弁で「魂消た」(たまげた)という。熊本は生まれ育った私の故郷、母の住む実家があり、他人ごとではなかった。これが戦争による人為的災害ではなしに、自然災害によることだから、仕方がないとため息をついているわけにはいかない。地震と戦争に揺さぶられても屈しない、歪む大地に怯まないのが、肥後もっこすの真骨頂だろう。記憶の断層に思いを馳せて、もう一度よく考えないといけない。どんなリスクにも備えがある、安心して住める故郷としての大地の環境造りを、背水の陣を敷いて考えないとね。私たちが逃げ腰・弱腰では、子供たちに申し訳ない。
4月18日(月)更新
Shigfried Mayer(宮村重徳), copyrights © all reserved 2016, the Institute for the Interpretative Sociology Tokyo

2016年4月11日月曜日

X線で暗部を覗かれることを拒まれた?回転運動の真相は ...

 今年2月に打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ」が、思わぬトラブルに陥ったらしい。326日以降通信が途絶え、一部分解した模様(予想図)が放映された。原因が宇宙ゴミの衝突によるのでなければどうしたのかと、関係者を当惑させている。ひょっとして、X線で「暗部を覗かれる」ことを、宇宙の主(ぬし)に拒まれたのか?ブロークンアウトの原因は、楽しい謎に包まれている。誰だって暗部は見せたくない、人間なら当然だろうけどね(微笑)。
 もちろん、ダークパーツに意識があるはずはないから、X線で「暗部を見られたくない」という擬人法的言い方は当たらない。さてジョークはそこまでにして、以下で率直な疑問を取り上げてみたい。当加速度運動をしている物体は、慣性という力のモーメントにより、通常は姿勢を保ったまま、定められた軌道上を直進するはずだ。そうであるのに、X線観測衛星自体が回転運動するという現象は、何らかの外からの力が作用しないと起きないのではないか。姿勢制御の異常は、それ以外にどうやって説明できるのか。科学者たちは、なぜ宇宙ゴミ衝突のケースを予め排除しようとするのだろうか。宇宙ゴミはいつも見えるものばかりだろうか(例えば、不可測な衝撃波の塊など)。完璧を期したはずの天文衛星の造りに何らかの脆弱性があったと仮定して、想定外の内部原因で分解したのだと考えると、かえって説明に困るのではないか。どなたか疑問にお答えいただく方があれば、喜んで拝聴したい。
 付記: 宇宙研究開発機構(JAXA)の発表によると、制御プログラムのミスによる誤動作?だという。よく聞くメーカー好みの自己弁解に聞こえる。では聞きたい。誤動作を引き起こしたのは、プログラミング・ミス以外に原因はないと言い切れるのかな?見えざる外部要因などあり得ないと?
 4月18日(月)更新
Shigfried Mayer(宮村重徳)

2016年4月10日日曜日

便利さと楽しさに微睡まず、良心的拒否権の発動を

コンビニエンス文化はアメリカ発だけど、字義通り便利で申し分ないですね。ストアは二十四時間営業で、欲しいものはたいてい揃っているし生活も楽ちん。その上いつでもどこでも好きなゲームを楽しめるなんて、日本は願ってもないパラダイスかな?でも注意してください。君たちがスマホゲームを満喫し微睡んでいる間に、困ったことが今起きようとしています。
《お家のため》・《お国のため》という大義名分を必要としない、自分のために生きていい、自由で平等なはずの現代社会に、《天皇家のため》・《日本国のため》に生死を共にすべきだという、いつか来た道・七十年前の戦時体制の復刻版を目指す、安倍政権の「憲法改正案」がまかり通ろうとしています。現行憲法の「前書き」と改正案のそれを読んで比較してみてください。つぶさに読めば、その違いは一目瞭然です。君たち18歳以上の国民の自由を制限し、いつの間にか怪しげな戦争時代の大義名分を脳裏に刷り込ませようとしています。いいですか、「国民主権」に代えて「国家主権」が発動され、君たちに徴兵義務が負わされようとしているのです。スマホがあってもツイートしてもどうにもならない、格差が広がってじり貧かどん詰まりになる状況を自分に想定してみてください。
「全体主義」への関心が君たちを襲い、君たちがこれに呪縛されて身動きできなくなる前に、みんなで声を大にしてノーと言いプロテストし続けないと、改正されてしまうと後の祭りです。若者たち、便利さと楽しさに心奪われず勇気を出して、虚無勢力に負けない・集団の苛めに挫けない、国民としての主権・個人の良心的拒否権を発動しなさい。
4月11日(月)更新
Shigfried Mayer(宮村重徳), copyrights © all reserved 2016, the Institute for the Interpretative Sociology Tokyo

2016年4月2日土曜日

ダルマの壁に逆比で迫る、独逸学誌に本論公開

 お約束通り、『ボーディ・ダルマの壁観』論(独文、Die Wandanstaarung des Bodhi-Dharma. Zur Selbst-erfahrung des Leib-Seins)を、獨協大学紀要:「ドイツ学研究」70号に掲載しました。すでに、日本宗教学会で小出しに発表はしてきましたが、あるのはレジュメのみ、断片的です。本格的なダルマ研究(本論)の公開は今回が初めてです。ドイツ語文をお読みになれる方で、ご意見があれば喜んで承りたい。史的ダルマ論は理解社会学研究の古典モデル、「逆比の思考」でやっとここまでたどり着けました。最後まで読んでいただければ、禪に対する私のスタンスも、お分かりいただけるものと存じます。
 出版費用が工面できずに未だに「出版準備中」の『史的ダルマの研究』(日本語)とは別に、こちらの邦訳版が先になるかもしれません。完成まで少しお待ちください。
 昨夜(3月31日)は小石川後楽園涵徳亭で定例の、花一匁の教員打ち合わせ会。独逸仕込みのダルマ論刊行に、一樽相当の祝い酒を頂きました。
追記:論考の抜き刷りをご希望の方はお申し込みください。国内であれば無料でお送りいたします。国外の方には一部送料をご負担していただければ光栄です。いずれ獨協大学の学部サイトから、PDF文書がダウンロードできるようになるはずです。それまでお待ちになってもかまいません。
 5月3日(木)更新
Shigfried Mayer(宮村重徳)