2016年12月22日木曜日

故・柳田聖山先生を偲ぶ

 禅関係書の中で、私が一番よく読むのは、柳田聖山先生編集の『二入四行論』と主著『ダルマ』ですね。以前聖書を読んでそうだったように、これも手垢で汚れ、ぼろぼろになる寸前です。住まいの隣が曹洞宗の慈眼寺とあって、最近は日本達磨宗の『三論』と取り組んでいます。禅宗史の常識を覆す『中世禪籍叢刊』が京都の臨川書店から出版されています。「近代のプロテスタント宗教改革に似た」何かが古代日本を席巻した。西洋直輸入のキリスト教が日本で流行らないわけです。ボンヘッファーが云う「宗教改革なきプロテスタンティズム」の萌芽を見ているようで、密教以上に目が離せません。日本曹洞宗の躍動に期待したい。

2016年12月10日土曜日

語り得ざるモノへの畏敬

ダルマの禅には奥深いものがあり、汲めど尽きせぬ学びの毎日です。み言葉への学びと同時に、語り得ざるモノの働きに傾聴することがどれほど大事か、思い知らされています。

2016年12月3日土曜日

沈黙の大衆(サイレント・マジョリティー)の賭け

 アメリカ合衆国の次期大統領にトランプ氏が選ばれた背景に、「沈黙の大衆」、サイレント・マジョリティーの賭けが働いていたことは間違いない。経済的手腕を買ったのだろうか。それでも、移民系を排除する排外主義的政策に懸念は尽きない。シリコンバレーのベンチャー企業は、例外なく移民系の創業者たちである。スティーブ・ジョンズにして然り、グーグルやヤフーを生んだのも、移民系の人々の活力の故である。Succes follows people, not the thechnologyとは、それを物語る。トランプ現象が、アメリカの大国主義的経済復興を夢見るだけであればいずれ破綻しようが、意外な展開もあり得る。国際政治に断定は禁物である。大統領就任後に、一抹の望みではあっても、同氏が変身する可能性を、誰も一概に否定することはできない。錆びくれた鉄の町デトロイト周辺の経済復興に成功するかどうか、シリコンバレーに代わる具体策があるのか、お手並み拝見の試金石となる。
 ということもあり、これを機に、世代を風靡する「現象とは何か」を考えてみるのも悪くない。さしあたり、フッサールの現象学(『イデーン』)を学び直すことから始める。フッサールで物足りないと思えば、シュッツから読み始めてもいい。いずれもドイツ語原文での講読会であるが、「無の現象」を真摯に受け止め、社会学言論の対話課題として捉え直すことが目標である。関心があったら、声をかけてほしい。12月6日(火)更新