2023年3月29日水曜日

マジかよ、チャットGPTの真価を問う、対話モデルとしての人工知能AIの射程


SNSで話題の対話モデル、人工知能(AI)のチャットGPTスタイルは、スマートな口調で説得されそう。膨大なデータ分析から確率論的に一般推論しているだけで、個別判断の根拠は乏しく、指示関係は曖昧だね。脈絡を無視した繋ぎの意味づけは、無理矢理の付け刃に近く、トンネル効果も期待薄。

「我思う」主観を装っているが、あくまで対話は見せかけで、実はどこにも接点(着地点の保証)はない。マジな話し、紐付け(ルートへのアッタチメント)がないと根無し草(ルートレス)、ビンエラーで弾かれるのが落ち。

それでも、データ処理のスピードは速く、標準作業の自動化にはもってこい。効率化にはいいけどね、きめ細かい仕分けは不得手、フィンガーやプッシャーなど、インプット・アウトプットに人手が必要となる。

AIは、自ら考えて判断する能力を持ってない。発問し問題解決するわけではないから、知性を持つかのような擬制の判断力は論外。

擬制は構えのフィクションだから、個別の倫理面を包括できず、教育指導するにはおぼつかない。目下の役割は制限用法で、アドバイサーかコパイロット(副操縦士)、或いはセクレタリーに。

だから、過度の期待はできない。へたすると、悪意あるランサムウェアーに利用されて、遠隔操作でフィッシングの餌場に。

成りすまし(ディスガイス)に裏をかかれ、悔やんでも後の祭り、落ち着くまで評価はお預け、しばらく、成り行きを見守るほかない。ただ、覚えておいてほしい、AIデバイスが人手を離れ、制御不可能になり暴走する前に、万全を期して手を打つこと!

大量の物流を制する決め手は「心」(ヌース)だが、物心が仏心ならいざ知らず、いざ神々しい権威を帯びて、「主奴の論理」(ヘーゲル)をひっくり返す事態になると困ったことに。

そうなる前に、壁觀ダルマに学び、「文殊の知恵」を絞る・耳目を総動員すること。そうしないと、ホモ・サピエンスの終焉(終末時計)は秒読みだよ。ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモサピエンス全史』と『ホモ・デウス』が参考になる。

 3月30日(木)、4月03日(月)更新


村重徳(Shigfried Mayer)、copyright © all reserved 2023, 法政大学大原社会問題研究所嘱託研究員