2020年5月22日金曜日

自宅待機中の君たちに勧める超図解コレクション

話題の「あつ森」(任天堂ゲーム「あつまれ、動物の森」)で盛り上がっているようですね。わたしは、『ニュートン式 超図解 最強に面白い!!』(ニュートン・プレス)を、コロナ禍で自宅待機中の学生たちにお勧めしたい。(注:◎〇X印はお勧めの度合い)
『人体』・『死とは何か』・『脳』・〇『虚数』・〇『微分積分』・〇『量子論』・◎『超ひも理論』・〇『人工知能』、◎『無とは何か』(別冊)など、ビジュアルでわかりやすく、家庭や学習塾の関係者の間でも最強におもしろいと評判。
ビジュアルな図解本は、理解力を高めるために有効な、あくまで後見人に頼らず自分で考えるための補助手段にすぎません。操作可能な数値(プロパガンダ)に騙されない、ビッグデータを正しく読み解くためには、まず基礎数学の力をつけること。
考える力を身につけるには、今は古典の『啓蒙とは何か』(カント、篠田英雄訳、岩波文庫)がベストチョイス。カントは、バウムガルテンの物理神学を批判するくらいだから、マス(数学)やフィズィーク(物理学)にも詳しい。迷ったら、伝記を読むこと。
わかりやすいからいいとは限らない。別冊の『無とは何か―「何もない」世界は存在するのか?」』(ニュートン・プレス)に興味津々。新型コロナの脅威に屈しない、わたしが「思考のワクチン」として、事あるごとに「神即無」を提唱する理由も、その内にわかってもらえるのではと、期待を込めて一読をお勧めする。5月24日、6月2日更新
Shigfried Mayer(宮村重徳)

2020年5月15日金曜日

そのとき、フェリーが港に戻ってきた!

今は昔、一九七三年(昭和四十八年)の体験談で、新型コロナの大騒動で疲れきった体の芯、冷え切った心を温めてほしい。
スイスのボーデン湖畔にあるフェリーの船着き場まで、まだ遠く二百メートルは優にある。重たい旅行鞄を両手に提げ、出航したフェリーを見て呆然と岸壁にへたり込んだ、東洋から来た見知らぬ旅人のわたしのために、あり得ない・信じられないことが起きた。
ボーボーと二度汽笛を鳴らして急旋回し、逆エンジンをふかして、フェリーが港に戻ってきた!ドイツのフリードリッヒスハーフェン行きのフェリーが、フライトの都合で遅れてきた青年に気づいたのか、コンスタンツの港にまい戻ってきた。見ると、乗組員が船を降りてわたしに急ぎ駆け寄り、手押し車にカバンを載せて、乗船を手助けしてくれた。
スイスからドイツへ出迎えられてたどる心の旅路、自分は待っても他人を待たせない、船長の機転とスピード感のある実行力を見せつけられた。フェリー事件は、驚きと感動の瞬間だった。こうして、わたし(当時三十一歳)のドイツ留学生活が始まった。それから指折り数えて十二年の歳月を過ごすことになろうとは、予想外だったが充実していた。
今年成人式を迎えた青年たち、記念の卒業式や入学式をオンラインで迎えた学生諸君に言いたい。残念は不要、不安は無用、君たちは歓迎されるべき存在、未来時間のキャリアだから、いつまでも家に引きこもる必要はない。コロナ禍にしり込みしても、一時生活費に窮しても、希望(偲んで待つ心)まで捨ててはいけないよ。
日本では「待てば海路の日和(ひより)あり」。中国では「天網恢恢」(てんもうかいかい)と言う(「老子」73章)。天は網を広げ、君たちを助けて一人も漏らさない、急ぎつつ待つ心と即実行の備えさえあれば、フェリー(大乗小乗を問わない、仏心の乗り物)は遅れてきた青年の君たちの元へ、いつでも急旋回し戻ってくる。5月17日更新
Shigfried Mayer(宮村重徳)

2020年5月1日金曜日

エスの系譜は進化中、我と汝の密談では追い付けない

 目を見張るべきは、マクロの天上世界だけでない。ミクロのバイオス世界は侮れない。エスの系譜は進化中、急速発信して跡かたなく消える。新型コロナウイルスは変幻自在だから、ホモサピエンスの言葉(我と汝の対話技法)だけではその働きを理解できず、有意味世界崩壊のリスクを避けられない。世界を席捲する虚無化の現象に目を奪われて、気晴らしの言語ゲームに拘っているだけでは、『人間の条件』(アーレント)を超えるエスの影響史は掌握できず、未知のインフルエンサーには追い付けない。
有効なワクチン開発に成功しても、一時の癒しでは済まされない。思考のワクチンとして今何が必要か。複雑系を貫く絶対無の働き、神即無に迫るシャンスとすること無しには、リスクマネージメントは為しえない。ここで人類を終わらせない、次世代の知性改善につなげる目的で、新型コロナ事件を啓蒙(エンライトメント)の機会とせよ。カントの『人類の歴史の憶測的起源』と『万物の終わり』(篠田英雄訳『啓蒙とは何か』に収録、岩波文庫、2011年)は必読本。
3月以来、当局の削除に屈しない「方方日記」(方方はペンネーム、本名は汪芳、女性)をフォローしてきた。今日(2020年5月1日)、逮捕覚悟で発信する武漢の青年の叫びを直に聞いた。感染拡大の悲惨な実態が、武漢市当局の公表数より、実際はずばりその100倍に上ると指摘する、生の声を聞き届けた。(1)
また同じYouTubeで、LAのミュージシャンYOSHIKIと山中伸弥教授の緊急対談を視聴した。無症状のヒトを感染者にするクラスター発生の秘密、日々進化中のエスの系譜は侮れない。それでも、我と汝の生対談をひとつひとつ積み重ねること無しに、人類史の明日は描けない、希望の未来は終ぞ空け開けないと確信する次第である。(2)
Shigfried Mayer(宮村重徳), copyright © all reserved 2020, 理解社会学研究所所長、法政大学大原社会問題研究所嘱託研究員、㈱岡本カンパニー講師

(1)https://diamond.jp/articles/-/230922;YouTubeで届けられた武漢青年の発した命がけのメッセージは、https://www.youtube.com/watch?v=EVg2gVlS94E その後の動向は知られず、おそらく亡くなったのでは、遺書動画となった可能性が高い。指名手配中の宅配男性と同一人物かどうか不明。悲痛な叫びは他にも、https://youtu.be/T3aviOtc_Ik
(2)https://www.youtube.com/watch?v=xrxAMEqnTuM