2019年3月20日水曜日

嵐の中で拠点移動、電脳システムのリスクを乗り越える

まず、一月以来ブログの更新ができなかった事情を説明し、読者にお詫びしたい。引っ越し作業でダメージを受けたコンピューター・システム環境、中でもハード・ディスクのメンテナンスに一か月を要した。個人設定ファイルを確保し完全移行するために、システム7からシステム10へアップグレードを試みた。しかし嵐の中での拠点移動である。何が起きてもおかしくない。電波が届かず、文明の利器スマートフォンは使用不可の状況下で、作業に難儀を要した。揺れ止まぬ箱舟の最上階から荒む海上に振り落とされ、漂流してはや一か月が経過した。疾風怒濤の嵐の中、もはや手漕ぎではどうにもならぬ。すでに方向舵は折れ、考える我(近代理性)は深海の淵にさまよった後、深海の小魚になりきって、無に重心を取り海面に浮上して遊泳するが、心は木の葉のように揺れて波間に浮沈する。それでも、システム7の復元(現状回復)とハードディスク内外のトラブルを自力で処理できたのは不幸中の幸い。個人設定を含むデータを復元し、三十年をかけて作成してきた文書ファイルを自力で確保できたのはうれしい。しかし、ハードディスクのクローンを作ってもディスク・エラーが出る。安心のバックアップが欲しいところだが、いかんせん先行きは不透明。
電脳システムのリスク(危弱性)を乗り越えようとしても羅針盤は失われ、暗中模索を余儀なくされた。もはや小舟一艘(個人の力)ではいかんともしがたく、藁をも掴む思いで「ファイナル・パソコン引っ越し」の救助船(AOSデータ)に助けを求める。しかし、スリープ状態に陥り画面が戻らない。事前に電源廻りの設定変更をし忘れていたせいだと気づく。それでも、Ctr+Alt+Del, Ctr+Windows+Shift+B を繰り返すうちに、やっとサインインの画面が表示された。早速、スリープオフを実行。トラック積み込み作業に3時間を要したが、これでOKではなかった。積み込みは完了したが、システム10への荷降ろしがうまくいかない。マニュアル指定の「本ソフト」とは ”pcmover.exe” らしい。新しいパソコンへのデータの引っ越しに、ファイナルステージのプログラムを起動。トラックへの「積み込み」には成功したが、二度目の「荷降ろし」に失敗。「元にもどす」選択肢しかない。元にもどしても、ファイナルパソコン引っ越しプログラムをアンインストールし再導入しても、システム10のディスクトップに積荷情報の保存ファイルをコピーし荷降ろしを試みても、結果は変わらず困惑する。原因は、荷下ろしをする人が積み荷をした本人と同じでないからだとわかる。あと一ひねりの工夫で解決しそうだ。
心配事がなかったわけではない。ピュア・インストールしたシステム10では、わたしが長く頼みとしてきたノートンの再導入ができず安全保障が働かない(ように見えた)。アップグレードに迷うのは当然であろう。試しに、まずはログイン情報を調整し整合性を正した上で、稼働中の三台を無線(WiFi)で繋いでみた。すると、システム7の原状回復に成功しただけでない。システム710にアップグレードされており、ノートンの製品を含むすべての個人設定が受け継がれていることに気づく。メール環境の復元とシステム全体のバックアップにも成功。AOSの覿面効果を確認した。感謝したい。心配していたディスク・エラーも、何度も繰り返す内に出なくなった。医者に見放され余命数か月との宣告にもかかわらず、愛機のミューズは野鹿のように躍動している。システムも安定している。驚きの連続である。教訓:自己同一性と差異性に繊細なる精神を働かせよ。

作成者:Shigfried Mayer(宮村重徳)
日付:2019321日(木曜日)