2015年10月25日日曜日

マス・プロダクトの世界に埋没しない、自分を見失わない為には

 自動化は差分の捨象で成り立つこと、平均化で規格外・物象化でミスマッチとなれば自分を見失う。そうならない為には、レディーメイドで満足しない、オーダーメイドの生き方(正規の英語表現ではカスタムメイド、自分に見合った受注生産と委託、Bespoke)を模索すること。同化を拒み異化するのを嫌うくらいなら、既存の円に接線を引くことをお勧めする。その際に、接線とは垂直の法線(ダルマ)を意識した手動の心得、回転軸に対応する微調整が必要だよ。微分しても消せない自分の傾きが、最後に見つかる。何度も言ってきたことだが、社会学ではこれを諒解行為という。いいかな、言語活動の一環だということを忘れないでね。10月26日更新

Shigfried Mayer(宮村重徳), copyrights © all reserved 2015, the Insttitute for the Interpretative Sociology Tokyo

2015年10月7日水曜日

オートメーションに見る科学の夢実現と人間不在の困惑

  オートメーション(自動販売・自動翻訳・自動操縦)の普及で、君たちのどんな夢が実現したの?確かに便利にはなったけどね。「機械仕掛けの神さま」(Deus ex machina)の登場以来、いや増す人間不在の現実に、肝心の「私」がいなくても通用する、代用品と規格品だけが街頭に溢れ返る世界の奇妙さ、コンビニエンス的消費社会の不自然さに為す術もなく、誰も異議を唱えない。本当にそれでいいの?現にここで大地に踏みとどまりしっかり考えないと、人間じゃない。そろそろ君も「科学信仰」から脱却しないとね。アーレントの『活動的生』を読んでご覧。序論をだけ読んでも、ハイデガーの『存在と時間』に勝るとも劣らない、すごいインパクトがある。神不在に政治不在のツケは、どこまでも自己責任だよ。
 ということで、獨協大学の秋学期は、受講者と相談の末、計画していた『ラーヘル伝』第二部に代えて、ずばり主著の『活動的生』のドイツ語版(Vita Activa oder vom tätigen Leben)をテキスト研究の対象としました。よかったら、参加してね。自分が変わるよ。目つきから変わらざるを得ない。
10月13日更新
Shigfried Mayer(宮村重徳), copyrights © all reserved 2015, the Institute for the Interpretative Sociology Tokyo