2019年4月25日木曜日

アナログとデジタル、文化記号として捉え直すと(一)

いまさら聞けない、アナログとデジタルの違い。繊細なる幾何学的精神で問題を整理してみたい。新たなルーティングによる、断捨離の始まりを宣言する。アナログとデジタルは排他的関係にない、イメージ変換の仕方が違うのみ、一部が重なる点に注目。

1.      アナログは「類似の」、述語部で「類似した」イメージ、動詞形で「類推する」。言語学でアナロギーは「類同形」、記号学では「類似記号」、アナログイメージは集合性を見たままに処理可能な「計量型」、アナログ方式の相似モデルはリニアル(連続的)で表示、例えば時計の針のように、変化量を連続的に示す。和声や楽曲はウェーヴ、(波動イメージ)。自然言語の特徴は連続性:感性と理性は連続して一体をなし、連続しない離散したものは数値化(量子化)されない、自然界・生物界の生き物はすべてこれ、一つとして同じものはない。親子・兄弟姉妹のケースでは類似性あるのみ、芸術作品は同じだと贋作とみなされる。古来日本における神仏習合はワークシェアリング、コアにおいて働きがシェアされる。反面、アナログの欠点は差別化の温床ともなる。
2.      デジタルは「指の」、「指による」値の計数化、記号学では指標記号、デジタルイメージは「計数型」、デジタル方式の合同モデルはディスクレート(不連続)、機械言語の特徴:バイナリモードで数値化(量子化)される、プログラミングの二進法は方法論的に二分割する表象文化のツール。ハードウェアであれソフトウェアであれ、ハイテクノロジーモデルの製品は非人格的規格、不連続の対象物を排除する。理由:同一規格でないと量産化できない、再現可能でないと客観的に評価されない、交換可能でないと製品は売れない・市場に流通しない、相似モデルは贋作と見なされる。深層学習するも、AIの自動化モデルは所詮真似事に過ぎない。デジタルの欠点は不測の事態に対応できない。
3.アナログとデジタルの違いは、アナログ時計とデジタル時計の差で一目瞭然、前者は指に代えて針を使うが、シグナルは時計回りに滑らかな曲線で見た目にやさしく直感的、後者は凹凸で描画される点が違う。アナログ系シグナルには段差がなく、無限に正確な角度周りの時間経過情報をイメージ通りに提供する。他方、デジタル系シグナルでは、集積回路の配線具合が正確な数値でよくわかる。それぞれに利点と不便さあり、目的次第で使い勝手の利便性が異なる。ただ、思い出のアナログイメージが消失しても、デジタルは陰影からISOのディスクイメージとして保存し随時再現することができる。

Shigfried Mayer(宮村重徳)、copyright © all reserved, July 2019, the Institute for the Interpretative Sociology(理解社会学研究所)

2019年4月5日金曜日

二〇一九年度掲示板第一号

 最近ブロガーの記述に変更が生じているようなので、読者に注意を促しておきたい。なぜか投稿者がすべて「Unknown」となっています。本来は、ブログの編集者であり執筆者が投稿したものなので、Shigfried Mayer(宮村重徳)となります。著作権の問題とかかわるので、とても重要です。引用される際には、今後ブログ執筆者のシグフリード・マイヤーを必ず明記するか、本命(宮村重徳)を併記してくださるようお願いいたします。

2019年4月1日月曜日

我々は対話である。引きこもり中高年六十一万の友へ


 平成最後の331日(日曜日)、NHKを初め新聞各紙に衝撃的なニュースが瞬く間に広がった。調査の結果は、中高年の引きこもりが全国で六十一万人に上り、大半は男性で占められ、若年層の数を上回ったという。引きこもり症候群を含めると、総数は百万人にも及ぶ。退職が第一原因で、パラサイトの子が同居するケースが絡むことらしい。対話の糸口が見当たらない、核家族化に歯止めを失い、一緒にいてもつながっていない、個が行き場なく落ち着き先を見失ったことは、就職氷河期を体験した団塊世代のジュニアに特異な現象であると、他人ごとに言ってすまされない。
 「我々は対話である」とは、ドイツの詩人ヘルダーリンの言葉。中高年の引きこもりに苦しむ六十一万人の我が友よ。子らとともに今一度言葉の意味をかみしめて、見失われた存在の原点に立ち戻り、対話的存在の地平を取り戻すことにしたい。友よ、忘れてはいない、沈黙もまた対話的存在の大事な構成要件である。令和元年5月12日更新

Shigfried Mayer(宮村重徳)、copyright © all reserved, July 2019, the Institute for the Interpretative Sociology(理解社会学研究所)