2017年7月18日火曜日

死は生き方の最後の挑戦、日野原重明氏の逝去を悼む

 七月十八日(火曜)の今朝、日野原重明さんが呼吸不全で百五歳の生涯を閉じられた。日野原さんは聖路加病院の院長を長く勤められた。クリスチャンだということもあり、牧師在任中の以前から注目していた一人、人間ドッグやターミナル・ケア(終末医療)で知られる。命の大事さ、生と死に向き合う仕方を教え、死は生き方の最後の挑戦だと、最後まで溌溂(はつらつ)とお語りになっていた。御著書『百歳からの健康法』を読み、テレビのインタビューでのお話を伺って、ずいぶん勉強させていただいた。例えば、今でも何かを料理したりカップ麺を食したりする際に、必ずオリーブ油を加えるようにしている。自分に対しても誰に対しても、ターミナル・ケアの心で接するようにしている。それもこれも日野原さんに学んだことである。ご冥福を祈り、遺されたご家族に心中より哀悼の意を表したい。


2017年7月7日金曜日

小池都知事の都民ファースト勝利の理由と今後

 先日行われた東京都議選では、小池百合子東京都知事の率いる都民ファーストの会が歴史的勝利を収めた。これは、新保守主義への期待故であろう。共産党の票は伸びたが、新進党の票は伸び悩み、相変わらず革新勢力は落ち目である。他に政権を委ねる選択肢が国民の目には無い、と映っている証拠だ。
 若者たち、自然と社会のコンフリクトにもっと注目せよ。社会集団というのは、いつもそうだが、差し当たりまた大抵は保守的なのだ。技術で自然を制御できると確信する勢力だけがモノを言う世界。革新的精神では到底飯を食っていけないというのが本音だろう。君たちは、国会での崢論(じょうろん)や選挙の結果を見てどう思う?その傍目に人間の愚かさをあざ笑うかのように、台風6号が猛威を振るう、多くの人の命が奪われ家屋が破壊された。この無差別な大自然の動きに賢く対処できるような、強靭で柔軟な社会精神を体現する政治家がいない!将棋や卓球の若い世代に負けていられない、自ら志して、大自然と対話し格闘できる社会人を目指せよ!ルターの宗教改革の五百年目に当たる今日、改革精神の論議はその後でいい。

小達磨、三郷にて

2017年6月20日火曜日

歴史はパートナーを選ぶ、元ドイツ首相コール氏に哀悼の意を

 616日(金曜日)に、かつてのドイツ首相ヘルムート・コール氏が亡くなった。心より哀悼の意を表したい。私がまだドイツに居た1982年に首相に選ばれ、わたしの帰国後に例の東西ドイツの壁が崩壊する事件の立役者を務めた人である。ヘルムート・シュミット氏が相手だったら有り得なかったであろうことが、ヘルムート・コール氏だったからこそ、当時のソビエト連邦大統領ゴルバチョフ氏との精力的な交渉に成功したのだろう。歴史はパートナーを選ぶ、これは本当の話だと実感する次第である。

2017年5月26日金曜日

官僚に負けた政治の未熟な体質(その二)

 今から五年前、201211月のブログに『失敗した政治主導の「駆け込み寺」』と題して論評したのは当時の民主党についてだった。官僚依存からの脱却を謡いながら失敗した民主党政治の付けではないかと疑わられたからである。今回は、官僚の前事務次官に暴かれた自民党政治の問題である。森本学園の認可問題から飛び火して、加計学園の国家戦力特区に獣医学部を増設する案件を巡り、「官邸の最高レベルが言っている」ことだとして圧力があり、理由不十分のままに、最後は「内閣府に押し切られた」事情を明かし、内文書が事実あったことを強く主張している。官邸側はこれを否定し「文書は確認できない」と云うのみ。前事務次官の前川嘉平氏は、「文書は確かにあった。あったものを無かったかのように言うことは出来ない」と猛反発している。いずれ証人喚問があれば、国会で真実が明らかになるだろう。都合の悪い事実はこれを隠蔽して憚らない。無理を承知でそういった文書は無かったものとする・封印するのは、周知の保守政党の常套手段である。言葉を粗末にしているから、そういった直対応で本音を隠し通し、追究されるとひたすら言い繕うのみ。憲法改正についても同じ轍を踏んでいる。平和憲法の不戦の誓いを曖昧にして、自衛隊の定義を盛り込み、戦争行為を肯定し賛美する真意をひた隠しにして、平和憲法の不当な合理的解釈が密かに断行されようとしている。怖いことである。若者たち、目を覚ましていなさい。有事と成れば、さっそく君たちが戦場に送られることになる。そうならぬ前に、良心に基づいて抗議の声を上げる必要がある。大原社会問題研究所は、いつも君たちの味方だから、何でも相談してほしい。