2021年10月4日月曜日

フラウドの濁流にのまれ漂流しないために

  コロナ禍で生活資金に困り果て、藁をも掴みたい一心で、手にした支援情報がやらせのフェイク、最後の頼みが二束三文のフラウドとは、こっちの水が甘いよ・ノーサイドだよとの安全保障宣言も空手形、オ-ルタナティブのどれもこれもフェイクにフラウドのオンパレード、簒奪する側も救済支援の側も、金品をせしめ掠め取るだけの、同じ穴の狢(むじな)とは困ったもの、始末に負えない。怠惰・欺瞞・高慢な根性の、腐った精神につける薬はない、有効なワクチンはない。断捨離(だんしゃり)しかない。

ネトウヨのイムポーザーがAI仕掛けで攻勢を強める、真偽すり替えの策動に惑わされない、熾烈な詐欺サイトの情報戦争に根負けしない、ダークヴェブサイトの温床を知り、巧妙なトリックに騙されないよう、ここは無理をせず慌てず一切応じないこと、大きく息を吸って自分をフラットにして、仰向けに波間に浮沈するだけでいい、ほらできたね、それでいい。

欲張らず無心になれば、立ちはだかる壁の向こうに、青天霹靂(せいてんへきれき)の世界が自ずと空け開ける。月並みで恐縮だが、古来の諺にあるように、「捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ」は本当だね。

仕事がない・金がない・居場所がないと嘆く前に、自分の足で歩いてみよう。チャリンコに乗って町を出て野山を駆け巡り、突破のしるしを天地に探してごらん。日払いでもいいじゃない、資金ゼロでもすぐ始められる、アントレの仕事ならいくらでもある。

咲かせる花は目下萎れていても、天からのもらい水ですぐ息を吹き返すよ。非正規労働で何の保証もなく、生活困窮に陥った若年世代の諸君も、オーバーエイジで行き場がない高齢者の諸君も、ほら水を得た魚のように、溌溂(はつらつ)と生きることができる。

非正規労働者・非常勤講師として三十年間働いて、半生を無事生き抜いたわたしが、三十年永続勤務のご褒美(表彰状・感謝状)を大学からいただいたのは、つい三年前のこと。三年間働いたアマゾンジャパンを後にして、前人未踏の獣道を歩むも辞さず怯ず恐れない。次から次と常識を覆す新たな出会いあり、通常この年齢ではあり得ない、アントレプレナー資格者のわたしに、異業種から再三のオファーあり、目を細める・・・

壁観(へきかん)して安心無為、面壁(めんへき)でもいい、心を落ち着け、立ちはだかる壁と向き合うといい。避けて通れない、回り道はない。越えるしかない。無名法師のダルマが、ウォールゲイジングの実体験からわたしに語らせること。これは、マイスター・エックハルトの神即無の理解と実践に共有される。

参考文献:久松眞一『東洋的無』(法蔵館)

Shigfried Mayer (宮村重徳)