2017年9月4日月曜日

シュライエルマッハー『弁証法』講義、逸話は未渡し分の覚書

十二年間のドイツ留学中に、シュライエルマッハーの『弁証法』講義ほど、感銘を受けたものは他にない。ユンゲル教授の指導の下で逸話は尽きない、二年半有余の歳月をこの書だけに打ち込んだゼミナーの記憶がまだ生々しい。大学の所属先に関係で一度も取り上げることが出来なかったが、九月に始まる獨協大学での最終講義、秋学期のテクスト研究でこれを取り上げる可能性があることをつけ加えておきたい。逸話はアネクドーテ、接頭語のアでエクドータを否定して、未渡し分・未公開のお披露目である。
前回のブログでは、ハイデガーの『プラトン講義』に代えてヴェーバーの『理解社会学のカテゴリー』を講読すると宣言したが、学生諸君が望めば、こちらを選択する可能性もある。オーデブレヒト編集の『弁証法』は、「対話弁証法」のモデルとなった書物である。内奥的自我であれ社会的自我であれ、自他と向き合い対話するに、助けとなる手摺があると有り難いもの。

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