2017年8月25日金曜日

赤と黒の資本主義、貧富の格差社会に不在の精神を探る

 精神無き資本主義は蝉の抜け殻、赤と黒の何方(どちら)に転んでも針の筵(むしろ)である。獨協大学に勤務して今年でちょうど三十年目になる。最後となる秋学期は、予定を変更して、ハイデガー講読の続きに代えて、マックス・ヴェーバーの『理解社会学のカテゴリー』をテクスト講読することにした。わたしの人生を左右した一書である。冒頭で、蜜蜂マーヤのアニメを観賞し、理解社会学への手引きとする。今日第四次産業革命の旗印のもとに導入されるインダストリー4.0で、いったい経済社会の何が変わるだろうか。精神無き資本主義は蝉の抜け殻、人間不在に秋波が靡く中で、はたしてインダストリー4.0の導入で、不在の仕方で働くモノ、資本主義精神の復活はあり得るだろうか。ヴェーバーの『理解社会学のカテゴリー』構想は、意外なヒントに留まらず、またとない理解と実践の鍵を提供する。関心ある諸君の受講を期待する。

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