2015年9月17日木曜日

「宗教戦争の世紀」を終わらせる歴史的大英断となるか

 難民問題に関するメルケル首相の政治判断は、その評価を後世に委ねる他ないが、あるいは「宗教戦争の世紀」と悪評の高い21世紀の流れを一気に変える、歴史的英断となるかもしれない。前回述べた物理学専攻という出自だからこそ為し得ること。ドイツでは、キッペンベルク教授を初め多くの有識者たちが、イスラム教の研究を推し進め、宗教と暴力について論議を重ね対話を深めることで、負の連鎖を断ち切る解決策を長く模索してきた経緯がある。メルケル首相の言う通り、イスラム教徒との忍耐強い真摯な対話により、関係諸国が宗教的寛容を取り戻し、欧州共同体構成員自身をキリスト教世界の「根源」に立ち返らせるきっかけともなり得よう。そうなることをぜひ願いたい。「根源を通る直線」(Ursprungsgerade)志向の政策決定に敬意を表する。
 未だに難民鎖国の状態を脱せず、昨夜も安全保障関連法案をめぐり泥仕合を演じるだけの日本の政治と雲泥の差がある。日本の政治家諸君には、渡来文化の過去に立ち返り、襟を正してもらいたい。各宗派を代表する宗教者にも言えること、内外の社会問題にもっと注意を払い、自他を問わず苦しむ人々(難民)を助けなさい。少子化社会に報われて余りがある。9月19日更新

Shigfried Mayer(宮村重徳), copyrights © all reserved 2015, the Institute for the Interpretative Sociology Tokyo

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