2015年9月15日火曜日

怒涛のように押し寄せる難民の問題、美しい数式では解決できない

 最近は、大学生の他に高校生(大学受験生)を指導する機会が多い。中でも、高校数学や高校物理を教えることがこれほど楽しいとは、思いもよらなかった。社会現象を扱う人文科学系の問題には悩まされることが多いが、物理現象を扱う自然科学系の設問にはそれがない、ずばり数式の応用で問題が解ける。すっきりとして、感情の縺れ・シコリがない。それだけの違いである。
 しかし、怒涛のように押し寄せる難民の問題について言えば、物理学の美しい数式で解決できない。無制限の難民受け入れには問題が多く、ヨーロッパ共同体内部破綻のリスクが大きい。これだけは、力のモーメントや運動の方程式では何ともし難い。見事な数式で割っても虚数を含む余りが多すぎる。だからと言って、余剰の定理でも簡単に解けない、力学における運動保存の法則がそのまま社会現象に通用しない。なぜかというと、近代以降の人間存在を問おうとすると、ニュートンの自然哲学の数学原理の枠を遥かに超え出てしまう。人間社会を動かす身体と精神の現象は複合的で、貧富の差を生む経済現象に加え、根底に宗教現象の複合指数(±)を見据えると、アインシュタインの特殊相対性理論やハミルトンの複素数応用(四元数の回転行列)でも解きがたい。あえて人間社会を座標系としてみれば、原点や単位ベクトルに相当する働きが如何なるモノか。それをヴェーバーは「諒解行為」(後には「社会行為」)と名付けた。それを今どう理解するのか、労働力確保の要件だとしても、一筋縄にはいかない。経済大国の事情を欧州連合の小国に強いるわけにはいかない。民族移動現象は事実上文化変動をもたらすから、どのような諒解関係が取り付けられるか、未曾有の大量難民に向き合う諸君(ドイツの友人たち)への宿題とする。
この記事を書いた理由:アンゲラ・メルケル首相自身がライプツィヒ大学の物理学専攻出身であり、現在の夫君ヨアヒム・ザウアー氏も量子力学者であること。メルケル首相の政策決定に、出自が影響していると判断するのは当然であると思う。9月16日更新
Shigfried Mayer(宮村重徳), copyrights © all reserved 2015, the Institute for the Interpretative Sociology Tokyo