2013年7月15日月曜日

ビッグデータの鉋屑より、切り株の木目となれや一本松

   Achtung vor einem gekauften Beifallklatscher!, [11. December 更新]
 
 今流行(はやり)の便利な情報機器を手にしながら、大切な個人情報をビッグデータの鉋屑(かんなくず)にされないようにするには、何をどうしたらよいか。誰もが不安であろう。ビッグデータとは、消費者行動を追跡した膨大な生のデータで、一見脈絡のないデータを分析して、新たなセールスチャンスを生み出すよう巧みに加工される。消費者の個人情報が含まれるので、当然セキュリティー維持と個人情報保護の面で、管理には多大なリスクが伴う。注意すべき点をいくつか挙げる。
 個人の履歴を残さない。その都度削除するか、予めプライベートプラウザにしておく。それでも、特定のサーバーにアクセスした・しなかったの履歴がクラウドに残るので、利用を禁止する手立てはない。個人の存在価値は情報で決まるものではないが、左右されるケースが多いので要注意だ。個人情報が漏えいした場合(それ自体あってはならないケース)に備えて、法的に訴える権利を有することを覚え、決して諦めないこと。漏洩する側が匿名の場合は訴追のしようがないが、企業相手なら事情が異なる。
 消費者である個人の位置情報や趣向情報を収集し管理する企業に対しては、①通知(Notice)、②同意(Consent)、③透明(Transparency)の三大原則に沿って、消費者に対して明瞭で判断しやすいポリシー提示の上、プライバシー保護を実践していくことが強く求められる。しかし、「一般的同意」では曖昧で不確実、「暗黙の了解」と混同されやすく、容易に騙される。今一度、個人と集団を束ねるネットワーク時代の「諒解行為」(Verständnis-handeln)がどうあるべきか、よく考えてみて欲しい!
 ビッグデータだから信憑性(Authenticity)があるとは言えないが、データサイエンティストの腕技次第で価値ある生の情報源となりえる。無作為に混入している「さくら」情報([act as] a Decoy, ein gekaufter Beifall-klatscher)を疑っていたらきりがない。ツイッターにしても然り、任意の会社が付加価値を持たせて発信した「やらせ」ものでないか、ネット選挙に関しても然り、政党が選挙用に流している情報でないのかどうか、吟味すべきは当然であろう。そもそも、ビッグデータは情報の共有価値・金銭的な交換価値を考えて機械的に吸い上げられたものが多く、公共性の名目で政党や企業の利便性が優先される限り、個人の要件(人格の尊厳性)は後回しにされるので、セキュリティーは保障外であろう。
 それでも、君が政治家なら「主権在民」の原則に立ち返り、国民一人一人の関心と存在価値を多様に束ねるモノの働きを、ビッグデータに読み取りカスタマイズすることで、共感の波を起こす的確なメッセージを創案することができようが、公私混同の危険は常に付きまとう。国民諸君に対しては、機械的なロボット検索を信用するな!巧妙な囮サイト(後見人になりすました政党や企業、宗教団体)に判断を委ねず、与えられた悟性を使ってよく考え自ら分別せよ!と言っておきたい。ビッグデータの鉋屑となるより、切り株の木目となる勇気を以て。最後は、君たち自身が生のデータを織物にして発信する存在(ヴェップ上の主権者)であればいい。陸前高田に残った「奇跡の一本松」のように。すると、君たちを抜きにして為政者は何もできない、君たちの声を無視しては誰も語れなくなる。
Shigfried Mayer(宮村重徳), copyrights © all reserved 2013, the Institute for Rikaishakaigaku