2017年11月1日水曜日

女人の出定と台頭の逸話

 禅の名著『無門関』(むもんかん)に、興味深い喝が逸話として記されている。第四十二「女人出定」(にょにんしゅつじょう)に、釈迦牟尼(しゃかむに)の膝元で三昧(ざんまい)に入った女人あり。覚まそうとしても、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)に女人を定より出すことができない。詳細は割愛するが、無門(むもん)の頌(じゅ)が実に面白い。頌(じゅ)とは総括的論評のこと。西村恵信の訳では「頌(うた)って言う。〔女を定より〕出すこと出来るも出来ぬのも、いずれも立派なハタラキだ。神のお面と鬼のお面、失敗するほど面白い。」(補足は私)。
  付記:悟りの世界と政治界とで、違うのは当たり前だが、気になることがある。押しかけ女房ならいざ知らず、押しかけ旦那衆の偏見には、女性の活躍に対する無理解がひどすぎる。「神のお面と鬼のお面」、何方が暴かれようと、自分に返されるは必定であろう。「失敗するほど面白い」で何が言われているかは、失敗から学べるかどうか、改革的精神に立つ真実の自己を探求する意思が有るかどうか、男性議員諸君の受け止め方次第。あくまで私釈である。パワーハラスメントやセクシャルハラスメントが保守系ではもっとひどいとの事実確認は釈明にはならない。

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