2014年9月16日火曜日

京都への旅、ダルマの影追いヴィトゲンシュタインに...

913日から14日まで、久々に一泊二日の京都旅行。目的は、同志社大学で開催された宗教学会で研究発表するためです。『予言者的「壁観」のルーツとダルマ伝承』は、時間をかけ用意周到に準備した威信の作。アウトラインを解説するだけで優に一時間はかかるものを、十五分で済ますという無理難題を無事済ませてきました。「波斯国胡僧」(ペルシャ系外国人僧)の祖師と「向き合う」ことなしに、「壁観」を論じても何も始まらない、史的ダルマを理解することなしに「壁観」探しは意味をなさないと思うのですが、参加者が少なく反応はいま一つ。「諒解」関係を築くまでには時間がかかりそうですね。今後の課題とします。
 今回の学会で得た唯一の収穫は、ヴィトゲンシュタイン。大正大学の星川啓慈教授は、死後42年たって発見された幻の『哲学宗教日記』の背景となった場所を、自ら散策してヴィデオに収め、解説してくださいました。『太陽とヴィトゲンシュタインの宗教体験』を論じる際に、なるほどヴィトゲンシュタインは「語り得ざること」として、「神について」語ることを自らに戒め、論じることは一度もなかった。しかし「神と語る」ことを止めなかった、むしろ思索の源泉・原動力としていた主旨を伺い、強い共感を得ました。実は、数年前にわたしもこの『哲学宗教日記』を買い求め、読んで深く心を打たれた記憶があります。スピノザのことが先にあり、そのままにしておいた経緯が思い出されます。取り組みの幅ができ、「仏を思い神を考える」ケースタディーの選択肢も増えて、今後がいよいよ楽しみです。(10月2日更新)
Shigfried Mayer(宮村重徳), copyrights © all reserved 2014, the Institute for Interpretative Sociology Tokyo.

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