2019年1月1日火曜日

年頭所感:宗教と哲学を埋没させない、改革精神を掘り起こす年に

いまさら聞けない、アナログとデジタルの違い。繊細なる幾何学的精神で問題を整理してみたい。新たなルーティングによる、断捨離の始まりを宣言する。アナログとデジタルは排他的関係にない、イメージ変換の仕方が違うのみ、一部が重なる点に注目。

1.      アナログは「類似の」、述語部で「類似した」イメージ、動詞形で「類推する」。言語学でアナロギーは「類同形」、記号学では「類似記号」、アナログイメージは集合性を見たままに処理可能な「計量型」、アナログ方式の相似モデルはリニアル(連続的)で表示、例えば時計の針のように、変化量を連続的に示す。和声や楽曲はウェーヴ、(波動イメージ)。自然言語の特徴は連続性:感性と理性は連続して一体をなし、連続しない離散したものは数値化(量子化)されない、自然界・生物界の生き物はすべてこれ、一つとして同じものはない。親子・兄弟姉妹のケースでは類似性あるのみ、芸術作品は同じだと贋作とみなされる。古来日本における神仏習合はワークシェアリング、コアにおいて働きがシェアされる。反面、アナログの欠点は差別化の温床ともなる。
2.      デジタルは「指の」、「指による」値の計数化、記号学では指標記号、デジタルイメージは「計数型」、デジタル方式の合同モデルはディスクレート(不連続)、機械言語の特徴:バイナリモードで数値化(量子化)される、プログラミングの二進法は方法論的に二分割する表象文化のツール。ハードウェアであれソフトウェアであれ、ハイテクノロジーモデルの製品は非人格的規格、不連続の対象物を排除する。理由:同一規格でないと量産化できない、再現可能でないと客観的に評価されない、交換可能でないと製品は売れない・市場に流通しない、相似モデルは贋作と見なされる。深層学習するも、AIの自動化モデルは所詮真似事に過ぎない。デジタルの欠点は不測の事態に対応できない。
3.アナログとデジタルの違いは、アナログ時計とデジタル時計の差で一目瞭然、前者は指に代えて針を使うが、シグナルは時計回りに滑らかな曲線で見た目にやさしく直感的、後者は凹凸で描画される点が違う。アナログ系シグナルには段差がなく、無限に正確な角度周りの時間経過情報をイメージ通りに提供する。他方、デジタル系シグナルでは、集積回路の配線具合が正確な数値でよくわかる。それぞれに利点と不便さあり、目的次第で使い勝手の利便性が異なる。ただ、思い出のアナログイメージが消失しても、デジタルは陰影からISOのディスクイメージとして保存し随時再現することができる。

Shigfried Mayer(宮村重徳)、copyright © all reserved, July 2019, the Institute for the Interpretative Sociology(理解社会学研究所)

2018年12月19日水曜日

スモール・トークとトークン・エコノミーで何が違う

 十二月十六日(日曜日)の日本経済新聞の朝刊に、『育つか「トークンエコノミー、投稿と「いいね」に報酬」の記事が掲載されて今話題となっている。「スモールトーク」はご存知だろう。オブジェクト指向型のプログラミング言語である。アラン・ケイ以来、スモールトークの環境を構成し、オブジェクトにメッセージを書き込んで命令を実行する。トークンは過去分詞形。名辞的に「しるし、証拠」、「形見、記念品」、「代用貨幣、商品交換券」を意味する。そこから「トークン・エコノミー」が今話題となる。本来の意味とは異なり、トークンをご褒美のお金の代わりにデジタル権利証を付与する仕組みだと理解されている。「いいね」ボタンをクリックして報われるという発想には、怖いリスクが付きまとう。事実、インターネット上で仮想通貨のビット・コインが闇で流通する中、詐欺被害を被る事件が相次いでいる。トークンはネット上の「世間話、お喋り」の類、公共性のマスクした非本来的実存だとハイデガーが批判した経緯を思い出す。日常世界で見受ける何でもない言語事件のようであるが、トークンを売り物とするエコノミー的発想には驚かされる。
 マックス・ヴェーバーの「客観性論文」(『社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」』、一九〇四年)をたたき台にして事態の成り行きを見守り、「価値自由」の立場から、社会問題史の一環で事実関係を検証したい。トークンをお金に代わるお返しのご褒美とすれば、デジタル権利証を売買する行為に他ならず、価値付け評価の柵を持つ限り、デジタル時代に奴隷制復権の隠れ蓑となる。かつて免罪符の売買を巡りルターの宗教改革が必要とされた状況とよく似ている。客観性論文の外に、関心のある読者には『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(ヴェーバー)の再読をお勧めする。ヴェーバーで不十分と感じるなら、マルクスの『資本論』が参考となる。
Shigfried Mayer(宮村重徳)、法政大学大原社会学問題研究所、嘱託研究員

copyright © all reserved, July 2019, the Institute for the Interpretative Sociology(理解社会学研究所)

2018年12月15日土曜日

二〇一八年度の研究活動報告

一九八四年にタイムスリップした「かのように」、ドイツから持ち帰った膨大な研究資料を再整理、発見者の喜びで毎日が満ち溢れています。アマゾンジャパンに再就職して生活が安定したことにもよります。目下「神即無についての命題集」を執筆中、ダルマコード論に続く研究シリーズの一環です。二〇一八年も師走がまじかに迫る厳寒の今日、読者の皆様に於いても風邪をひかず、ご健勝でクリスマスと新年をお迎えください。日々好日の次年度をお祈りいたします。

2018年11月24日土曜日

深層学習する人工知能に倫理規定が必要?

 AI器機は賢い人工知能、集積された膨大なデータ分析ではとうてい叶わないが、倫理的自己規制を問うには尚早の感あり。それを必要とするメーカーやユーザーと異なり、物自体に考える力無く未完成、だってそうでしょう?「実存」(その都度の不安な現存在の仕様)は理解できない。判断力も定量的分野に限られる。定性的判断ができないから、ジレンマに陥り暴走し始める。自動運転を過度に信用すると、思わぬ事故に出くわして対処できずに狼狽する。でしょう?諸君は、普段から自分で考えるよう務めること、漠然と考えるだけで済ませない。パターン認識とは違う考え方、「別様に考える」工夫が必要となる。AIの示す尤もらしさは未だ玩具のレベル、就活に於いて進路を舵取る力量(判断力)までAI任せにしてはいけないよ。
*お勧めの本:大島淑子『禅 ー別様に考える』。但しドイツ語なので、読みたい人は研究会においでください。わかりやすく実存理解の手解きいたします。
12月9日(水曜日)更新

2018年10月24日水曜日

二〇一八年度秋期公開講座の予定表

毎月第一土曜日・第三土曜日の午後三時より、以下の公開講座を開き講義をいたします。いずれの講座でも、ドイツ語原書を読み解きながら、真理のセーム(パース)と言われる記号学でテクストの真髄に迫ります。ドイツ語が初めての方でも基礎からお教えしますので心配無用、参加費無料、テクストはコピーして配布。場所が確定するまで、しばらくは東京スカイツリーラインの獨協大学前(旧:松原団地)のカフェーOB松原東口店にて会合を開きます。東口駅前を直進して左、日時は以下参照。なお、理解社会学研究所の主催で為される諸集会は、節目を見てアナウンスします。それまでお待ちください。とにかく初回は皆の気持ちを寄せ合う機会としたい。

1.神学講座:カール・バルト『ローマ書』第一版(1919年)、第二版(1923年)の与えた衝撃は一過性のエピソードに終わらない、弁証法神学運動の原点から言葉と無の分水嶺を探ります。キリスト者が禅と出逢うに至る道の予備考察、ファーストステップ
Karl Barth: Der Römerbrief, 1919. 1923
日時:毎月第一土曜日午後三時から、第一回は11月4日(土曜日)

2.哲学講座:マルティン・ハイデガー『オントロギー(事実性の解釈学)』、1923年の戦時講義、『存在と時間』(1926年)の下書きに近いペリコーペ(断片)の解読、現象学的アリストテレス研究の諸成果、「ナトルプ報告」を踏まえて、存在論的思索と実践の根本動機となる運動論的コンセプトに迫ります。禅に学ぶ自己のテクロノジーへのセカンドステップ
Martin Heidegger: Ontologie (Hermeneutik der Faktizität), 1923.
日時:毎月第三土曜日午後三時から、第一回は11月12日(土曜日)

3.第三の解釈項(選択肢)として、マイスター・エックハルトの『ドイツ語説教集』、その名の通り、これだけはドイツ語で読み解かないと深い味わいが掴めません。
Meister Eckhart: Deutsche Predigten und Traktate, Hanser Verlag, München 1977.
または、ハンス・ヨナスの『アウシュヴィッツ以後の神』、叢書・ウニベルシタス、品川哲彦訳、法政大学出版局、2009年。グノーシスとケノーシスの関連性を問います。これだけは翻訳書でも構いません。
Hans Jonasu: Gedanken über Gott : drei Versuche. 1994. 
日時:未定、受講者と相談の上決めます。基本的に第五土曜日午後三時から

受講者の受付を開始します。飛び込みでも構いませんが、出席希望の旨をメールでお知らせいただければ感謝です。十分な席を予約し、人数分のプリントを用意する必要があるためです。セルフ・サービスのお店なので、飲み物だけは自払いでお願いいたします。