2020年4月6日月曜日

ホモサピエンスに誤作動をもたらすシグナル物質?

人類(ホモサピエンス)の知的営みを混乱させ、文化遺産を換骨奪胎して無意味化する、脅威的なウイルスの正体は何か、何者なのか。若者と高齢者を世代間の亀裂に持ち込むのは自然なのだろうか。非生物の自然が企てるにしてはあまりにも悲惨で大胆すぎる。人間の知的営み・コミュニケーション能力を笑いものとするのは、「自然が無差別」の理由で済まない、もたらされる結果があまりにも不自然で唐突だから、エス(「それ」)に係わる何らかの予期せぬ事件性(環境変数の劇的変化に想定外の因果関係)が予想される。以下では、「日経サイエンス」などに掲載された論文をいくつか紹介。
デボラ・ブラムは「匂いで伝える人間フェロモン」という論文(2011年)で、女性だけの集まりで月経周期が同調するとの実験結果を踏まえて、匂いを出して引き付け合う、シグナル物質のフェロモンを特定している。マーサ・マトリントックの論文「月経の同調と抑制」(1971)を参照していることからマトリントック効果と呼ばれているが、新型コロナウイルスが宿主候補の蛋白質に誘いをかけるメカニズムは男性でも同じかどうか。
私見では、フェロモンより性染色体のジグナル物質に、宿主側の注意が喚起されている。人間は、換骨奪胎されたそれを混同し、無意識に反応していよう。コロナウイルスの自己複製(カット&コピー・ぺ-スト)メカニズムとの関連を解明すれば、自分の乗っ取り事件を防ぐことも可能となろう。事例は一部にとどまらない、確かに匂いや味わいの初期障害が数多く報告されているが、脳科学での検証が待たれる。[1]
他方、生物学者の福岡伸一(青山学院大学教授)によれば、新型肺炎のコロナウイルスに、「動的平衡」のメカニズムが働いていると認識し、撲滅すべき対象でない。むしろ「ウイルスとの共生」こそ必要なことだと示唆している。福岡は、宿主側の蛋白質がウイルスのそれが容易に結合する背景に、宿主側の分解酵素が積極的に反応し、「招き入れているとさえいえる挙動を示している」と指摘している。誤作動の因果関係をめぐること、デボラ・ブラムの報告と合わせ、哲学者も宗教学者も社会学者も傾聴し、改めて共有すべき思考課題である。[2]
蛇足:感染爆発(エピデミック)の背後に、不安からマスクする群集心理あり、ひいては利権をめぐる思惑とワクチン開発競争の弊害がなくならない。=0の予想外割のような隠された人為的意図の介在を想定せざるを得ないと考えるのはわたしだけか。
新型コロナウイルスは、疾風怒涛(シュトゥルム・ウント・ドランク)を特徴的スタイルとする。自覚症状が現れる直前が最大の山場、感染拡大のピークを迎えるというから、門戸を閉じて外出しない、悩み耐え忍んで、疫病を「過ぎ去らせる」のみ。疫病をパスオヴァーする、ネガティブ・ケイパビリティ―に必要とされるのは、「希望の哲学」(ブロッホ)あるのみ。
『出エジプト記』(11章~12章、最後の災いと主の過ぎ越し)を参考にして、月並みの忍耐以上の何が必要か。長いトンネルを抜け出して安心の日常性を取り戻す、安心壁観(ウォール・ゲイジング)による突破が期待される。
4月8日、4月12日、4月20日更新
Shigfried.Mayer(宮村重徳), copyright © all reserved 2020, 理解社会学研究所所長、法政大学大原社会問題研究所嘱託研究員、㈱岡本カンパニー講師


[1] Debora Blum, The Scent of Your ThoughtsSCIENTIFIC AMERICAN October 2011). 
西オーストラリア大学動物生物学研究所(リー・シモンズ)から無効との反論はあるが、実験の再検証はあくまで人間同士に限られたこと。種の壁を越えた微生物間の分析レベルではない。脳科学での吟味と検証が待たれる。
[2] だから、「ウイルスは自己複製するだけの自利的存在でなく、むしろ利他的な存在である」と結論付けるのは早急ではないか。
https://www.asahi.com/rensai/list.html?iref=pc_extlink  


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