2014年6月12日木曜日

働くモノを理解し、考える自分を培う、ドイツ語学習の勧め

  以下は、獨協大学で「ドイツ語基礎」を選択している学生たちに、二回に渡り授業の冒頭で言ったことを少し手直しをして、参考の為に書いておきました。よく読んで、小テストや定期試験に備えてください。
1.ドイツ語は屈折言語です。その特徴は、主語と連動して動詞の形が決まる(「人称変化する」)、対象とする物(名詞)も係わり具合で形が決まる(「格変化する」)、この二点です。動作主である人称(Person)は三つ、働くヒトの屈折するパターンは三×二(単複)で六つです。辞書に出ているのは不定詞と言って、人称変化する前の形ですね。主語が第一人称、話し手の「私」(ich)なら、まずキャップとなっている不定詞語尾の-en を取って、-e を付ける。動作主の私が進んで相合傘の柄を持つのだと覚えてください。主語が第二人称、聞き手の「君」(du)なら、-st を付ける。君と親しくなれば、ストーンと恋に落ちる(笑)と覚えてください。主語が第三人称、話題の「彼・彼女・それ」(er, sie, es)なら、-t を付ける。話題や関心に手を付けると覚えてください。普段は単数形の三択で十分ですが、二人称と三人称には不規則に変化するものがあり、たいていは母音の変化ですが、要注意です。いいですか、直接対話するのは一人称と二人称で、会話文や物語文でよく使われますが、数からいえば比較にならないほど、説明文や論説文では話題となる第三人称の語彙が非常に多い、いや大半がそうなのです。
2.名詞は物を表す言葉で、シフトキー押すのが大変でも、必ず大文字にします。格変化は4択です。ここでも、欧米語では物が主語であるケースが非常に多い、つまり第三人称形である物が主語となるケースが圧倒的に多いということを忘れないでください。モノが働き手(主語)となるとき、二度目からは人称代名詞に置き換えます(der名詞は erdie名詞は siedas名詞は esで)。人称代名詞が人を受けるとは限らない、「何」物を指しているかにご注意ください。また、名詞形が「格変化する」というのは、モノの「傾き」加減を表示すること、名詞形の前に付いている冠詞(der, die, das)を変化させることで、格の違いを言い表します。1格は主語(~は/~が)、2格は所有格(~の)、3格は与格(~に)/ 間接目的語、4格は目的格(~を)/ 直接目的語を指しています。日本語のように、名詞の後に助詞をくっ付けて済ます膠着言語と違うので、ご注意ください。
3.英語と同様、ドイツ語にも五文型があります。大事なことは「定動詞」(主語を明記した動詞)は文中の二番目に来るということ。「定動詞第二位の原則」と言います。平叙文では、軸足が二番目にあるので、副詞乃至修飾句が先頭に来れば、主語は三番目にきます。動詞が先頭に来るのは、疑問文か命令文のみです。文型については、自動詞であればS + V (主語+動詞)、ザイン動詞(英語のBe動詞に当たる)であれば S + V + C (主語+動詞+補語)、他動詞であれば S+V+O S+V+O1+O2 S+V+O+Cのいずれかです。英作と同様、ドイツ語で文章を書くときは、「誰が何だ。誰がどうする」(主語と述語)をまず宣言してから、「いつ、どこで、誰と、どのように」の順序で付加説明をします。完了文や受動態の時は、二番目に助動詞(sein, haben, werden)を置き、文末に過去分詞形をもってきてフレームを造ります。通常、「枠構造」と言います。忘れないでください。人称と時制の変化(x軸)は、セカンドとラストで決まります。環境設定(y軸)は、接続詞の文にして対応します。ドイツ語の造りは規則的ですから、理解しやすい。あとは応用あるのみ。確かに、英語と比べて厳格ですが、枠組みがしっかりとしている分、それだけ表現の緻密さに長け、習熟の自由度が高いということです。
4.授業では、ハイテク機器を駆使して、見て聴いたことを確かめながら、会話文と説明文を二度繰り返して学習します。三度目の分は、宿題(レポート課題)として手渡しているもので、各自が練習した経過を毎週報告すること。当方で(赤ペン入れて)添削いたしますので、必ず提出してください。実力を定着させるには、少なくとも三回~十回以上自宅での練習が必要です。ドイツ語を学ぶと頭が冴える、しっかりと物事を理解し考える力が付く。それは本当の話しです。この半年間または一年かけて、ぜひご自分で体得してみてください。因みに、君が日本語で考えたことを書きだして、ドイツ語にしてみるといい。主語が曖昧で、誰に対して何を言いたかったのか、考えがいかにいい加減だったかがわかるでしょう。自らの体験(^^;)に基づいて申し上げています。