2015年9月17日木曜日

「宗教戦争の世紀」を終わらせる歴史的大英断となるか

 難民問題に関するメルケル首相の政治判断は、その評価を後世に委ねる他ないが、あるいは「宗教戦争の世紀」と悪評の高い21世紀の流れを一気に変える、歴史的英断となるかもしれない。前回述べた物理学専攻という出自だからこそ為し得ること。ドイツでは、キッペンベルク教授を初め多くの有識者たちが、イスラム教の研究を推し進め、宗教と暴力について論議を重ね対話を深めることで、負の連鎖を断ち切る解決策を長く模索してきた経緯がある。メルケル首相の言う通り、イスラム教徒との忍耐強い真摯な対話により、関係諸国が宗教的寛容を取り戻し、欧州共同体構成員自身をキリスト教世界の「根源」に立ち返らせるきっかけともなり得よう。そうなることをぜひ願いたい。「根源を通る直線」(Ursprungsgerade)志向の政策決定に敬意を表する。
 未だに難民鎖国の状態を脱せず、昨夜も安全保障関連法案をめぐり泥仕合を演じるだけの日本の政治と雲泥の差がある。日本の政治家諸君には、渡来文化の過去に立ち返り、襟を正してもらいたい。各宗派を代表する宗教者にも言えること、内外の社会問題にもっと注意を払い、自他を問わず苦しむ人々(難民)を助けなさい。少子化社会に報われて余りがある。9月19日更新

Shigfried Mayer(宮村重徳), copyrights © all reserved 2015, the Institute for the Interpretative Sociology Tokyo

2015年9月15日火曜日

怒涛のように押し寄せる難民の問題、美しい数式では解決できない

 最近は、大学生の他に高校生(大学受験生)を指導する機会が多い。中でも、高校数学や高校物理を教えることがこれほど楽しいとは、思いもよらなかった。社会現象を扱う人文科学系の問題には悩まされることが多いが、物理現象を扱う自然科学系の設問にはそれがない、ずばり数式の応用で問題が解ける。すっきりとして、感情の縺れ・シコリがない。それだけの違いである。
 しかし、怒涛のように押し寄せる難民の問題について言えば、物理学の美しい数式で解決できない。無制限の難民受け入れには問題が多く、ヨーロッパ共同体内部破綻のリスクが大きい。これだけは、力のモーメントや運動の方程式では何ともし難い。見事な数式で割っても虚数を含む余りが多すぎる。だからと言って、余剰の定理でも簡単に解けない、力学における運動保存の法則がそのまま社会現象に通用しない。なぜかというと、近代以降の人間存在を問おうとすると、ニュートンの自然哲学の数学原理の枠を遥かに超え出てしまう。人間社会を動かす身体と精神の現象は複合的で、貧富の差を生む経済現象に加え、根底に宗教現象の複合指数(±)を見据えると、アインシュタインの特殊相対性理論やハミルトンの複素数応用(四元数の回転行列)でも解きがたい。あえて人間社会を座標系としてみれば、原点や単位ベクトルに相当する働きが如何なるモノか。それをヴェーバーは「諒解行為」(後には「社会行為」)と名付けた。それを今どう理解するのか、労働力確保の要件だとしても、一筋縄にはいかない。経済大国の事情を欧州連合の小国に強いるわけにはいかない。民族移動現象は事実上文化変動をもたらすから、どのような諒解関係が取り付けられるか、未曾有の大量難民に向き合う諸君(ドイツの友人たち)への宿題とする。
この記事を書いた理由:アンゲラ・メルケル首相自身がライプツィヒ大学の物理学専攻出身であり、現在の夫君ヨアヒム・ザウアー氏も量子力学者であること。メルケル首相の政策決定に、出自が影響していると判断するのは当然であると思う。9月16日更新
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2015年9月5日土曜日

狂気に動じず偏見に屈せず、座して「安心の非戦」を貫け!

     戦争は狂気です。一度暴走すると、止めるのが極めて困難。若者たち、有事体制を急ぐ人たちの狂気に動じることなく、座して安心の非戦を貫きなさい!政治に無関心でひ弱な世代という風評や偏見に屈せず、街頭に出て安心の波を次々と起こしなさい!原点を通る直線に注目し、荒ぶる波の勢いを穏やかな波線に変えることで、世界は確かに変わる、狂気から安心へと軸周りに回転し始める。非戦の決意と良心的兵役拒否は、君たちの権利なのだから。                        

追記: 8月30日の国会前での反安保デモに私も参加しました。
   多くの高校生が参加したは感動的でした。1970年の反戦デモ以来45年ぶりに歴史の記憶を更新する事件でした。9月10日更新
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